不動産投資を始める前に知りたい「投資物件の種類」と「メリット・デメリット」
「不動産投資を始めようと思うけど、どんな種類があるの?」
「それぞれの投資方法のデメリットやメリットを知りたい」
このような疑問を持っている方が多いのではないでしょうか。
この記事では6つの投資物件の特徴を紹介し、メリットやデメリットについて解説します。不動産投資を始めようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
A.投資対象となる物件の種類と特徴
投資物件の種類としては以下の6つが挙げられるでしょう。
- 区分マンション投資
- 一棟投資
- 中古戸建投資
- 新築戸建投資
- コインパーキング投資
- トランクルーム投資
各種、特徴とメリット・デメリットを順に紹介いたします。
A-1.区分マンション投資のメリット・デメリット
区分マンション投資とはマンションの中のひと部屋を家賃収入のために所有する投資方法です。比較的多大な資金を用意できなくても投資を始められるのが特徴です。
大きくはワンルームマンションとファミリー用マンションの2種類があります。
区分マンション投資のメリット
- 一棟物件と比べると価格が低く購入しやすい
- 売却しやすい
- リスク分散ができる
- 物件数が多い
あらゆる業務をおこなう一棟投資の場合に比べて管理・修繕の手間が比較的かからないといえるでしょう。
比較的価格が低く購入しやすい区分マンション投資は1棟投資と比べて流動性が高く、異なる立地に複数の部屋を所有する分散投資も可能です。
その場合、空室による収益の減少を防ぐだけでなく地震などの災害リスクも軽減されます。
物件数の多さも魅力です。東京都内の区分マンションと一棟マンションを比較してみると、件数におよそ7倍もの差があり、区分マンションの物件数が多いことがわかります。
物件数が多いので自分好みの条件に当てはまる物件が出てきやすく、選択肢の幅が広がります。
物件 | 区分マンション | 一棟マンション |
物件数 | 6,188 | 794 |
※2020年10月現在
LIFULL HOME’S
https://toushi.homes.co.jp/bukkensearch/addr11=13/
区分マンション投資のデメリット
- 空室になった場合は収益がゼロ
- 土地の所有権が共有
- 管理ルールに関する権限が少ない
一室のみの投資の場合、所有する物件が空室になった場合、家賃収入を得ることができなくなります。空室の間、管理費の支払いや物件購入におけるローンの返済は自費となります。
区分マンション投資における土地の割合は部屋の床面積で決まり、土地は共有での所有になります。
部屋を所有したとしても、自分の思い通りの管理ができるわけではないのが区分マンション投資。マンションの管理規約などのルールを独断で決めることはできません。
また、建物全体のリフォームや修繕工事をおこなう場合にはほかのオーナー全員の承諾が必要です。
A-2.一棟投資のメリット・デメリット
一棟投資はアパートやマンションを丸々一棟購入して、家賃収入で利益を得ることです。
一棟投資のメリット
- 管理の自由度が高い
- 家賃収入がゼロになるリスクが低い
- 利回りが高い
基本的にはオーナーの意思によって修繕や改装をおこなうことができます。工事の時期・予算を思い通りに決定できる自由度の高さが魅力です。
また、家賃の収入がゼロになるリスクが低いというメリットもあります。複数の部屋を所有するため、たとえ空室があっても他の部屋に居住者がいれば収入がゼロになることはありません。
一棟投資はひとつの物件から得られる収入が多く、利回りが高い傾向にあります。新規登録物件のうち区分マンションの表面利回りが7.80%だったのに対し、一棟マンションの表面利回りは8.25%でした。
物件 | 区分マンション | 一棟アパート | 一棟マンション |
表面利回り | 7.80% | 8.63% | 8.25% |
※収益物件市場動向四半期レポート<2020年7月~9月期> 健美家
https://www.kenbiya.com/img/press/pre2020-10-06.pdfをもとに作成
一棟投資のデメリット
- 購入金額が高い
- 多大なコストが発生する
- リスク分散が難しい
マンションやアパートを一棟購入しますので、投資金額自体が大きくなるでしょう。
そのため、高年収でなければ融資を受けられない可能性があります。また融資を受けられたとしても返済額が大きく、万が一空室が増えた際に返済が難しくなります。
時間的、金額的なコストも多くかかる可能性もあります。業者へ委託することも可能ですが、清掃や設備のメンテナンスといった日々のメンテナンスや、一定期間が経過すると大きな規模の改修を行う必要もあるでしょう。
また、リスクの分散が難しいことも考えられます。災害や地震によって一棟すべてを失ったり、地域の環境変化で家賃が下がったりする場合があります。購入前に物件の周辺地域をしっかりリサーチすることが重要です。
A-3.中古戸建投資のメリット・デメリット
中古の戸建住宅を取得して貸し出すことで、継続的に家賃収入を得る不動産投資です。
中古戸建投資のメリット
- 購入価格が比較的安い
- 好きなカスタマイズができる
比較的価格が安いのが中古戸建の魅力のひとつでしょう。また所有権はすべてオーナーにあるので、思い通りのカスタマイズが可能です。
安く購入した古い物件に外壁塗装や水回りのリフォームを行い、賃貸物件として入居者を募るといったこともできます。
中古戸建投資のデメリット
- 融資を受けにくい物件がある
- リフォーム・修繕のコストが高くつく
- 入居者の確保が難しいこともある
築年数の古い再建築不可物件に該当する建物、法定耐用年数以上の築年数の物件や旧耐震基準物件は、銀行によっては融資を受けられない可能性が高いでしょう。仮に受けられたとしても、融資の金額が低くなってしまうこともあります。
中古戸建では雨漏りやシロアリの被害など、気が付きにくい不具合が生じていたり、新耐震基準を満たしていないことも考えられるでしょう。購入後、比較的すぐにリフォームや修繕計画を立てて実施せざるを得ない可能性があります。また、一棟投資であれば短期間でまとまった家賃収入が期待できますが、戸建ての場合はその物件から得られる家賃収入のみとなります。
また、入居希望者の中には築年数で検索して探す方も多いため、検討候補にあがらず入居が決まらないリスクも考えられます。
A-4.新築戸建投資のメリット・デメリット
新築物件を他人に貸し出す目的で購入し、家賃収入を得る不動産投資のことです。
新築戸建投資のメリット
- 当面の間修繕費がかからない
- 入居期間が長い
- 家賃を高く設定できる場合が多い
- 減価償却費を長期間計上できる
新築物件は当面の間、修繕工事やリフォームをする必要がないでしょう。最新設備が提供する快適な暮らしによって、長く住んでもらえるほど長期的な収益が見込めます。
新築物件はニーズがあるため、近隣物件の家賃相場より高めに家賃を設定できる場合が多いです。
また新築物件は中古物件に比べて減価償却費を経費計上できる期間が長くあります。帳簿上の利益を節税が期待できるでしょう
新築物件は中古物件と比べ減価償却期間が長い特徴があります。不動産所得は他の収入と損益通算できます。ただし、長期償却は収入状況によりメリットにもデメリットにもなるケースがありますので注意が必要です。
新築戸建投資のデメリット
- 場所によっては購入費用が高い
- 空室になったときのリスクが大きい
物件の取得は中古戸建投資に比べて費用がかかります。スムーズに家賃収益で投資分を回収できるよう、築年数が経過しても家賃が下がりにくいと思われる(人気のある)エリアを選びましょう。
空室になれば収益も出ません。物件購入においてローンを組んだ際、空室の期間は返済負担がさらに大きくなるため、新築戸建の場合は複数戸を所有してリスク分散させることもひとつの手段としては挙げられます。
A-5.コインパーキング投資のメリット・デメリット
コインパーキング投資はコインパーキングを経営し、使用料で収益を得る不動産投資です。
投資方法として自営と、コインパーキング運営会社に土地を貸して管理・経営を任せる借り上げ方式があります。
コインパーキング投資のメリット
- 初期費用を抑えられる(一括借り上げ方式)
- 運営の手間がかからない(一括借り上げ方式)
- 撤退や転用がしやすい
- 変形地や狭小地を活用できる
一括借り上げの場合、車止め設置などの初期費用がゼロの運営会社が多く、業務をすべて業者に任せられるますので、その場合は運営の手間がかかりません。
更地や転用のしやすさもコインパーキング投資の魅力です。もちろん費用はかかりますが、戸建てや一棟投資に比べて撤退が比較的身軽でしょう。極論にはなりますが、建物の建築が難しい広さの土地でも、車を止められるスペースがあれば始められます。
コインパーキング投資のデメリット
- 収益性が低い
- 税金の優遇措置がない
- 他社との競争が激しい
デメリットとして、コインパーキングはマンションやアパートなどに比べて収益性が低いといわれています。また、住宅投資の場合、固定資産税や都市計画税の優遇措置がありますが、コインパーキング投資にはありません。
都市部では多くのコインパーキングがあり、競争が激しいのが現状です。他社との差別化を図ったサービスを考案する必要あるでしょう。
A-6.トランクルーム投資のメリット・デメリット
トランクルーム投資は荷物置きとして貸し出し、賃料を得る不動産投資です。コンテナを設置する屋外タイプと、建物の中を個室に区切るルーム型に分かれます。
トランクルーム投資のメリット
- 比較的低コストで始められる
- 古い物件を活用できる
- トラブルが少ない
住居物件とは違って荷物を置くスペースなので修繕費用がかからず、築年数が経過した物件でも活用できる場合があります。初期費用を抑えて低コストで始められるでしょう。
トランクルーム自体に人は住みませんので、住人同士や近隣住民とのトラブルが発生する可能性は低いといえます。
トランクルーム投資のデメリット
- 運営できない場所がある
- 新規参入者が増加中
用途地域の制限によってトランクルームの経営ができない場合があります。トランクルームの経営ができない用途地域は第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域です。
また地域によっては集客が難しくなる可能性も考えられます。
全国のトランクルーム店舗数が10,000店舗を突破。2019年にオープンした店舗のうち30%以上が東京都内に出店しています。供給過多になった場合、空室リスクが高まるでしょう。
引用)「Annual Supply Survey」株式会社キュラーズ
B.自身の資産形成計画を考えた上で選びましょう
投資物件の種類とメリット・デメリットについて紹介しました。
どの投資物件にもそれぞれのメリット・デメリットがあります。不動産投資を始めようと考えてる方は、まずはどの物件が自身にあっているのか情報収集をしっかり行うことをおすすめいたします。