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20代から不動産投資を行うメリットと、事前に考えるべき事項とは

近年はNISA(少額投資非課税制度)など若年層が参加しやすい投資が増えたこともあり、若いうちに不動産投資へ興味を持つ方も少なくありません。
早い方は、20代から本格的に投資へ着手しようと検討しているのではないでしょうか。

不動産の運用というと、ある程度の社会的地位や高収入が約束された中高年層だけの特権のように思われがちですが、実際は20代からでも始めることができます。
ここでは20代から不動産投資を始めるメリットと、注意点についてご紹介します。

A.20代から不動産投資を行うメリットとは

投資を始める最適な年齢というものはありません。始めようと思えば20代からでも可能です。
一部の高所得者に限らず平均的な収入の方にも、以下のとおり不動産投資を始めるメリットがあります。

A-1.「女性、若者/シニア起業家支援資金」を利用できる

日本政策金融公庫が特定の起業家を対象に行っている支援事業、「女性、若者/シニア起業家支援資金」を利用することができます。
支援を受けられる対象や内容は、以下のとおりです。

女性、若者/シニア起業家支援資金

対象者

事業開始予定もしくは事業開始からおおむね7年以内かつ、以下のいずれかに当てはまる方

  • 女性である
  • 35歳未満である
  • 55歳以上である

支援金の用途

以下のいずれかの資金として使用すること

  • 新たに事業を開始するため
  • 事業開始後に必要とする資金

融資限度額

7,200万円(うち、運転資金は4,800万円)

参考:日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/02_zyoseikigyouka_m.html

「女性、若者/シニア起業家支援資金」を利用することで自己資金が少ない方や一般的な金融機関では融資を受けられない方でも不動産投資を始められます。
ただし、あくまで事業に対する支援であることに注意しなくてはなりません。
投資への支援ではないため、制度を活用する場合は上記にあげた条件に加え「不動産賃貸事業」を開始する必要があります。(個人事業主でも可能)

また、日本政策金融公庫も、一般的な金融機関と同様に独自の審査基準が設けられています。
問題なく借りられたとしても融資期間が最大20年までとなりますので、注意が必要です。

不安な方や具体的な相談をしたい方は、まず近隣の商工会議所などに設置された各都道府県内の支店で事前相談を申し込むことをおすすめします。

A-2.家賃収入を得られる期間が相対的に長くなる

売却ではなく賃貸の場合、投資対象の物件を購入して入居者が現れれば、継続的に家賃収入(インカムゲイン)を得られます。
不動産投資を始めた時期が早ければ早いほど、相対的に長くなるのが家賃収入を得られる期間です。
仮に定年の65歳まで本業とは別に不動産投資による副収入を得ている場合、20代で始めた方のほうが40代や50代で始めた方よりも総額は大きくなります。

長期スパンで資産形成ができるうえ、一般的なローン返済期間(30~35年)を定年前に終えることも可能です。
ただし、物件に空室が発生した場合、当然収入は途切れてしまいます。

また、物件によっては一定期間で売却する方がメリットとなるケースもあるでしょう。
あくまでも一定の家賃収入を得続けることができた場合の相対的なメリットとなりますので、注意が必要です。

B.20代が不動産投資を行う際の注意点とは

20代で不動産投資を始める場合は、一般的に40代や50代と比べて収入などが異なることがあるため、資金計画に注意しなくてはなりません。

B-1.年収などが足りずに融資が受けられない可能性がある

投資用の物件を購入するときは、多くの方が金融機関から融資を受けますが、いわゆる住宅ローンを申し込むことはできません。

一棟買いのケースはもちろん、分譲マンションの1室のみや戸建住宅を投資用に購入するときも利用できるのは不動産投資ローンであり、住宅ローンとは異なる条件が適用されます。

住宅ローンと不動産投資ローンの特徴は、以下のとおりです。

 

住宅ローン

不動産投資ローン

契約できる物件の用途

自宅の購入費・増改築費

投資目的の物件の購入費など

返済原資

毎月の給料収入が一般的

毎月の家賃収入

融資金額

年収を参考に決定

家賃収入・年収・資産を参考に決定

審査内容

個人の属性(年収・勤続年数など)

個人の属性・物件の収益性

申し込みの年齢制限

一般的な定年を考慮した年齢(65~70歳)が設定される

70歳以上でも資産状況によって借り入れ可能

上記のとおり不動産投資ローンは物件の収益性が審査対象となりますが、住宅ローンと同様に個人の年収や信用度もチェックされます。
そのため20代でも融資を受けられるチャンスはある一方、年収や信用度が足りずに希望の金融機関で借りられない可能性もあります。

不動産投資ローンには、団体信用生命保険に加入出来る場合が有ります。ご自身の保険内容と見比べながら総合的に判断するのが良いでしょう。

B-2.頭金がない場合、返済総額が高くなる可能性がある

20代は一部を除くと年収や貯蓄に不安があり、少ない自己資金で不動産投資を始めなければならない方も多いのではないでしょうか。
金融機関の審査にさえ通れば、頭金0円のフルローンや少ない自己資金で不動産投資を始めること自体は可能です。

しかし、借り入れ金額が多ければ多いほど返済総額やリスクが大きくなる点に注意しなければなりません。

購入価格によっては返済総額に比例して毎月の負担額も大きくなるため、せっかくの家賃収入をすべて返済に回さなくてはならない可能性もあります。
家賃収入すべてを返済に充てるほど余裕がない状態では、空室が発生したときのリスクも大きくなりますので、自分自身の資産のバランスに注意して物件を選定していきましょう。
空室状態が即座に解消されるとも限らず、続けば続くほどローン返済額だけで赤字を引きずることとなります。

C.不動産投資のゴールを決めるために、まずは情報収集を

20代で不動産投資を始めるときは、前述したような注意点を把握したうえで適切な対策を取る必要があります。
まずは不動産投資でどのようなゴールを目指したいのか、明確にしましょう。

家賃収入で本業以外の収入を今すぐに得たいのか、定年退職後の生活費を家賃収入でまかないたいのか、ゴールを設定することで投資計画を立てやすくなります。
自分に合うゴールを決めるためにも、不動産投資に関する情報収集を十分におこなうことも重要です。

本やインターネットを参考にするだけではなく、不動産投資セミナーへの参加もおすすめです。

不動産会社や投資経験者が豊富な経験に基づいたアドバイスや、最新情報を提供してくれるうえ、独学では見落としやすい基礎知識もしっかりカバーしてくれます。
セミナー後は個別相談で疑問点を直接質問したり、主催者によっては参加者限定の非公開物件情報を得られたり、セミナー独自の特典が豊富です。

20代から不動産投資を始めたい方は、第一歩としてセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。