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不動産投資に関係する税金の基礎知識!種類別に解説

これから不動産投資をはじめようと考える上で、税金について調べている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不動産投資にはさまざまな税金が発生しますので面倒だと感じるかもしれませんが、ある程度把握しておくことも大切です。

本記事では、下記のような不動産投資に関係する主な税金の種類ついて解説します。

種類

主な税金

不動産の取得に対する課税

  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 印紙税

不動産の所有に対する課税

  • 固定資産税
  • 都市計画税

不動産投資の所得に対する課税

  • 所得税
  • 事業税

※本記事は2021年6月現在の情報に基づいて作成しておりますので、ご注意ください。

A.不動産の取得に対して課税される税金

不動産の取得に際しては、主に不動産取得税・登録免許税・印紙税といった3種類の税金が挙げられます。

A-1.不動産取得税

不動産取得税は、土地や家屋などの不動産の取得に対して課税される地方税のことです。

有償・無償や登記の有無に関係なく課税の対象になります。
取得や譲渡のほかにも、改築した家屋の価格が上昇した場合も課税の対象です。

ただし、特例控除が適用される場合は課税されないケースもあります。
また、相続によって取得した不動産も課税の対象外になります。

・計算方法

不動産取得税の計算方法は「取得した不動産価格×税率」です。
税率は原則4%ですが、令和6年3月31日までに取得した宅地と住宅には、税率を3%に引き下げる特例措置があります。

なお、納付先は取得または改築した土地や家屋の住所地を管轄する税事務所です。

A-2.登録免許税

登録免許税は、不動産の所有権や抵当権を登記する際に発生する国税です。
登記料とも呼ばれます。

登記の目的は、所有する土地や家屋の権利に国のお墨付きを与えることです。
権利が公的に証明されることで、取得後のトラブルなどを防止する効果があります。
登録免許税は登記を行った登記所に納付します。

・計算方法

計算方法は「固定資産税課税標準額×税率(※)」で、現在は軽減税率が適用されているため税率は取得した新築物件と土地が0.15%で中古物件が0.3%です。
※標準となる税率の為、自治体により異なる場合がございます。

なお、軽減税率は延長がある場合があります。延長期間は国税庁のホームページをご確認ください。

A-3.印紙税

印紙税は、不動産の売買や譲渡の際に作成した契約書などの課税文書に対する国税です。

納税者は課税文書の作成者で、規定の収入印紙を課税文書に貼付して、取得する土地や家屋の住所地を管轄する税務署に納付します。

・計算方法

印紙税額は取得する土地や家屋の契約金額によって異なり、最少額は200円で最高額は60万円です。
なお、平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成されるものは、軽減税率が適用されます。

B.不動産の所有に課税される2つの税金

不動産を所有していると主に固定資産税と都市計画税が課税されます。

B-1.固定資産税

固定資産税は、所有する土地や家屋に対して課税される地方税です。
固定資産税は、市町村の固定資産課税台帳に記載されている土地や家屋の所有者が納税します。

・計算方法

固定資産税の計算方法は「固定資産税課税標準額×1.4%(※)」です。
※標準となる税率の為、自治体により異なる場合がございます。

固定資産税評価額は土地の公的価格や家屋の時価額のことで、3年に一度評価替えが行われます。

そのため、土地の公的価格や家屋の時価額の変化によって、固定資産税の納税額も上下動することになります。
固定資産税の納付先は、当該の土地や家屋がある市町村(東京23区は東京都)です。

B-2.都市計画税

都市計画税は市街化区域内の土地や家屋の所有者に課税される地方税で、固定資産税とともに納付します。

市街化区域とは、都市計画法で指定されている都市計画区域のことで、既存の市街地と10年以内の市街化計画がある区域が指定されます。

・計算方法

都市計画税の計算方法は「固定資産税課税標準額×0.3%(※)」です。
※標準となる税率の為、自治体により異なる場合がございます。

C.不動産投資による所得に対して課税される2つの税金

不動産投資の所得には、所得税のほかに投資規模によっては事業税が課税されることがあります。

C-1.所得税

所得税はすべての所得に対して課税される国税です。
不動産投資によって得た不動産所得も所得税に含まれます。

主な不動産所得は、取得した土地や建物などの貸し付けなどを行い所得が発生した際に発生します。

・計算方法

所得税の計算方法は「前年の課税所得金額×所得税率−控除額−税額控除」です。

課税所得金額は、前年の1月1日〜12月31日までの「収入金額−必要経費」で求めます。
所得税の税率は所得金額によって異なり、最低が5%で最高が45%です。

控除の例としては基礎控除や、該当する場合は社会保険料控除、医療費控除などが挙げられます。

なお、令和19年までは基準所得金額に2.1%の復興特別所得税がプラスされます。

所得税の申告は毎年2月16日〜3月15日までの確定申告期間中に行い、申告先は住所地を管轄する税務署です。

C-2.事業税

事業税は法律によって定められている事業者に課税される地方税で、前年の事業所得に対して課税されます。

不動産投資の場合は、不動産貸付を事業的規模で行っている事業者が対象です。
事業税の対象になると、最高で290万円の事業主控除が受けられることもあります。

ただし、事業的規模に該当するには、マンションやアパートの場合は10室以上の所有が必要で、一戸建ての場合は5棟以上の所有が必要です。

・計算方法

不動産貸付業に対する事業税の計算方法は「前年の事業所得−事業主控除×税率(5%)」で、賃貸物件がある都道府県に納付します。

D.税金に関する最新情報にも関心を持つことが大切

不動産投資を始めるにあたっては、投資に関するノウハウとともに税金に関する知識が欠かせません。

事業税や消費税がそうであるように、ここで挙げた税金がすべての投資家に適用されるわけではありませんが、できる限り把握しておくことは大切です。
あわせて、確定申告もしっかりと行うようにしましょう。

参考:【不動産投資に確定申告は必要?不動産投資における確定申告の基礎知識