• 融資情報

地方銀行と都市銀行、不動産投資の融資に違いはある?それぞれの銀行の特徴を解説

不動産投資を始めるにあたり、融資先の金融機関として地方銀行や都市銀行のどちらを選ぶべきか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どちらの銀行にもそれぞれのメリットや注意点がありますので、一概にどちらを選ぶのが正解とは言い切れないでしょう。

本記事ではそれぞれの特徴の概要をご紹介していますので、不動産投資の融資先を選ぶ参考にしてみてください。

A.地方銀行・都市銀行それぞれの不動産投資の融資に関する特徴

地方銀行と都市銀行では、どのような違いや特徴があるのでしょうか。

銀行の種類

メリット

注意点

都市銀行

・全国に展開されているため、自身の居住地から離れた物件でも対応してもらえる

・審査が厳しい分、融資額の上限や金利が優遇される可能性がある

・金融機関の中でも、特に資産背景や自己資金など審査基準が厳しい傾向がある

・一定の資産がないと受け付けてくれない可能性もある

地方銀行

・自身の居住地や物件の所在地が地方銀行外の場合は断られる可能性がある

・一定の資産背景や自己資金を求められる傾向がある

それぞれについて後述していきます。

A-1.地方銀行の特徴

地方銀行とは

地方銀行は、地域密着型の金融機関です。
基本的に、本店がある都道府県と支店がある周辺地域が営業エリアとなっています。

そのため、主な顧客も営業エリアの個人や事業主、法人などが中心です。
営業エリアで調達した資金を営業エリアに貸し出しながら、地域の個人と企業の資産形成や事業発展をサポートしています。

不動産投資の融資の特徴

地方銀行では事業計画がしっかりしていて、資金が十分にあると判断された場合は比較的柔軟に対応してもらえる可能性があります。

ただし、基本的に地方銀行は地域の経済に貢献することを目的としています。
自身の居住地や物件の所在地が地方銀行の対応エリア外にある場合は断られるでしょう。

A-2.都市銀行の特徴

都市銀行とは

都市銀行は、地方銀行とは異なり全国および海外に業務展開しています。

2021年4月3日時点で金融庁の認可を受けている都市銀行は、4行(三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・りそな銀行)です。

いずれも、大都市(東京都や大阪府など)に本店を構え、そこを拠点に全国および世界各地に支店を設けています。
また、都市銀行は業務対象地域の広さや規模の大きさとともに、預金残高や融資額が大きいことから「メガバンク」とも呼ばれています。

不動産投資の融資の特徴

都市銀行は全国に展開されているため、地方銀行とは異なり、自身の居住地から離れた物件でも支店があれば対応してもらえる可能性があります。

銀行自体の資金規模が非常に大きく、当然ながら金利も地方銀行に比べると低い傾向にはありますが、年収や勤務先、資産背景や自己資金などの審査基準が非常に厳しくあります。

B.地方銀行と都市銀行それぞれの不動産投資に対する融資の特徴例

ここからは地方銀行と都市銀行、それぞれに該当する銀行の不動産投資に対する融資の特徴をご紹介していきます。
なお、今回ご紹介する内容はWebサイト上に記載されている情報の概要となりますので、詳細に関しては各銀行にお問い合わせください。

B-1.都市銀行

常陽銀行

茨城県に本店を置く常陽銀行の「アパートローン」は、営業地域内で賃貸住宅を購入・新築・増改築する場合の資金として利用することができます。

  • 融資額の上限:3億円
  • 返済期間:30年以内(法定耐用年数以内)
  • 融資を受けられる年齢:満20〜71歳未満

※上記以外にも審査条件がありますので、詳細は銀行にお問い合わせください。

参考:常陽銀行 アパートローン
https://www.joyobank.co.jp/personal/loan/apartment/

関西みらい銀行

大阪府に本店がある関西みらい銀行の「アパート・マンションローン」は賃貸を目的とする居住用物件で耐火、準耐火物件、住宅金融支援機構および特定珍来住宅建設融資の適格物件が対象となります。

  • 融資額の上限:5億円
  • 返済期間:30年以内(1ヵ月単位)
  • 融資を受けられる年齢:借入時の年齢が満20歳以上で意思疎通のできる方

※上記以外にも審査条件がありますので、詳細は銀行にお問い合わせください。

参考:関西みらい銀行 アパート・マンションローン
https://www.kansaimiraibank.co.jp/pdf/syohingaiyo/apart_loan.pdf

福岡銀行

福岡県に本店所在地がある福岡銀行の「アパートローン」はアパートの建築資金や購入資金、建築資金・購入資金に係る諸経費に利用できます。

  • 融資額の上限:次のうち、低い金額を上限額とする。
    建物本体価格(土地代を含む)・付帯工事費・諸費用の合計額
    事業採算見込みその他総合的に勘案し、弊行が妥当と判断した金額
  • 返済期間:30年以内(※建物の構造などに応じて最長期間は異なる)
  • 融資を受けられる年齢:借入時の年齢が満20歳以上

※上記以外にも審査条件がありますので、詳細は銀行にお問い合わせください。

参考:福岡銀行 アパートローン
https://www.fukuokabank.co.jp/personal/service/apartloan/gaiyou/index.html

B-2.都市銀行

三井住友銀行

三井住友銀行では、アパートやマンションなどの賃貸住宅の建築・購入・リフォーム資金の用途として「直担アパートローン」があります。

  • 融資額の上限:200万円以上で当該賃貸物件の建築・購入価格等の範囲内
  • 融資期間:1~35年以内
  • 融資を受けられる年齢:借入時の年齢が満 20 歳以上

※上記以外にも審査条件がありますので、詳細は銀行にお問い合わせください。

参考:三井住友銀行 直担アパートローン
https://www.smbc.co.jp/kojin/apartment/

みずほ銀行

みずほ銀行の「アパートローン」は、賃貸用住宅の土地や建物の取得や建築に関する資金の用途として利用することができます。
資金用途に関しても下記の参考ページに細かく記載されているのでもしよろしければご覧ください。

  • 融資額の上限:50万円以上5億円以内
  • 融資期間:1~35年以内(ただし金利タイプによって変動)
  • 融資を受けられる年齢:満20歳以上

※上記以外にも審査条件がありますので、詳細は銀行にお問い合わせください。

参考:みずほ銀行 アパートローン
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/loan/apart_yushi/index.html

りそな銀行

りそな銀行の融資に関しては「りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証)」について概要を解説いたします。
賃貸を目的とした建物の取得、購入、新築、改築、修理などの用途として利用できます。

  • 融資額の上限:100万円以上3億円以内
  • 融資期間:1~30年以内
  • 融資を受けられる年齢:借入時の年齢が満 20 歳以上

※上記以外にも審査条件がありますので、詳細は銀行にお問い合わせください。

参考:りそな銀行 りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証)
https://www.resonabank.co.jp/hojin/service/bs/apaman/ordermade/index.html

なお、三菱UFJ銀行についてはWebサイト上に情報が掲載されておりませんでしたので、本記事では紹介しないこととさせていただきます。

C.自身の不動産投資の条件に合った融資先の選択をしましょう

地方銀行と都市銀行それぞれの特徴の概要を説明しました。
それぞれに特徴がありますので、一概にどちらが良いとは言えません。

また、融資先は不動産管理会社から紹介してもらえるケースもあります。
取引先の金融機関の場合、個人で申し込むよりも柔軟に対応してくれるかもしれません。
金融機関は、不動産管理会社と相談して決めるようにしましょう。