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不動産投資における出口戦略の重要性とは?重要な理由と代表的な出口戦略について解説

不動産投資についての情報収集をする中で「出口戦略」という用語を見かけた方もいらっしゃるかと思います。

不動産投資を始めるにあたってはさまざまな準備が必要となりますが、「出口戦略」の立案も重要なポイントのひとつです。
本記事では、出口戦略の代表的な「物件を売却する」手法について解説するとともに、出口戦略がなぜ重要になるのかについてもご説明いたします。

本記事では、不動産投資においてなぜ出口戦略が重要となるのか、その理由を解説するとともに、出口戦略の代表的な手法についてもご紹介していきます。

A.不動産投資における出口戦略とは?

「不動産投資で運用した物件を、最終的にはどのように処理するのか」が出口戦略となります。

大きく分けると、下記のような選択肢が挙げられます。

大ジャンル

小ジャンル

売却する

収益物件として売却する
居住者に売却する
(一棟もしくは戸建ての場合)更地にして売却する

売却しない

自身で住む
相続する
(一棟もしくは戸建ての場合)更地にして土地活用

こちらの説明は後述いたします。

B.不動産投資における出口戦略の重要性

続いて、不動産投資における出口戦略の重要性について解説いたします。

不動産投資はどのような形であれ、必ず運用に終わりがあります。
万が一、莫大な費用を要する出口戦略を選んだ場合、これまで得た収益を大きく失ってしまう恐れがあります。
そのため、出口戦略をしっかり立てておかなければ、効率的な収益は期待できません。

また、出口戦略は不動産投資を始める前にあらかじめ押さえておく内容とも綿密に結びついています。
詳しく見ていきましょう。

B-1.不動産投資の物件選びと出口戦略の関連性

不動産投資を始めるにあたってはどのような物件を運用するか決めておく必要があります。
物件を選ぶにあたっては、どのような目的で行いたいのか、自己資金状況など様々な要因を考慮する必要がありますが、出口戦略も物件選びと綿密に結びつきます。

例えば、不動産投資の物件に関してマンションの一室と戸建ての出口戦略を比較してみます。

出口戦略の選択肢

マンションの一室

戸建て

売却する

収益物件として売却する
居住者に売却する

収益物件として売却する
居住者に売却する
更地にして売却する

売却しない

自身で住む
相続する

自身で住む
相続する
更地にして土地活用

上記のように、マンションの一室に比べて、戸建て物件の方が出口戦略の選択肢が広がります。
出口戦略は不動産投資を始めるにあたり、あらかじめ立案しておくものにはなりますが、それでも運用する中で期せずして変更を余儀なくされることもあります。

そういった意味では、物件選びの判断基準のひとつに「出口戦略の幅がある」ことも重要な要素といえます。

B-2.不動産投資の目的と出口戦略の関連性

不動産投資の目的と出口戦略も綿密に結びつきます。
例えば、不動産投資の目的を「長期的に安定した収入を得る」とした場合を見ていきましょう。

前提として、不動産投資の運用期間が「長期」に及ぶものとなります。
「長期」をどの程度の期間とするのかにもよりますが、出口戦略を「売却」とする際にはどのように売却するのかをある程度見越しておく必要があるでしょう。

たとえ物件の購入時が新築であったとしても、売却時は必ず中古の物件になります。
長期間運用した物件は大掛かりなリノベーションが必要になる可能性があります。
リノベーションを行うためには当然ながら費用が発生します。

また、運用期間中に物件のエリアの需要そのものが購入時に比べて変化する可能性もあります。
周辺地域に新築のマンションが多数建てられると、いざ売却しようと思ってもなかなか買い手が見つからないことも考えられます。
この場合、物件に対して+αの付加価値が要します。買い手を募集する宣伝費等も必要になるかもしれません。

このように、不動産投資の開始時にどの程度の運用期間を設けるのか、出口戦略をどのように行い、どの程度費用が発生する見込みとなるのか、ある程度計画しておくことが必要となります。

C.不動産投資における出口戦略例

それでは、不動産投資における出口戦略例をいくつかご紹介していきます。
先にご紹介したとおり、大きく分けると出口戦略は下記の2つに整理されます。

  • 売却する
  • 売却しない

それぞれについて、見ていきましょう。

C-1.売却する

不動産投資で運用していた物件をなにかしらの形で売却する方法です。

物件を売却する

運用していた物件をそのまま、もしくはリノベーションなどを行い、売却する方法です。
物件を売却するにあたっては下記の3パターンがあります。

①収益物件として別のオーナーに売却する

同じ賃貸用の物件として、別のオーナーに売却する手法です。

物件を買い取る側にとっては、物件に対する居住者の需要が今後も見込まれるかどうかが判断基準のひとつとなります。
空室が発生して入居者がなかなか集まらないからといって手放そうと考えても、売却先が見つからない可能性もあるでしょう。

「物件を売却する」出口戦略を選択する場合は、不動産投資を開始する前にあらかじめ物件選定や売却時期をある程度見極めておく必要があります。

②居住者に売却する

居住者に物件を売却する手法です。
居住者の所有物件になりますので、居住者が今後も住み続ける意思がなければ成り立ちません。

居住者の申し出がない限り、あまり確実な方法とは言えませんが、例えば「貸し出している物件に長い期間居住している」場合は比較的見込みがあるかもしれません。

居住者の意思に委ねられる手法ですので、期待はしすぎないようにしましょう。

③更地にして売却する

物件を取り壊して、更地にした土地として売却する、もしくは更地にした後、別の不動産投資物件を設けたうえで、別のオーナーに売却する方法です。

更地にするためには物件全体を所有している必要があります。
マンション一棟すべて、または一戸建てを所有している場合に選ぶことができる出口戦略です。

ただし、マンション一棟を所有している場合、居住者全員に退去してもらう必要があります。
居住者と退去交渉を行う必要があり、トラブルにも繋がりかねません。

一方で戸建て投資の場合は基本的に一世帯とのやりとりだけになりますので、「更地にして売却する」手法を選ぶ上では、勿論土地の資産価値などを考慮する必要がありますが、マンションの一棟投資と比べると戸建て投資がおすすめといえるでしょう。

C-2.売却しない

運用していた物件を売却せずに不動産投資を終わらせる手法です。
「売却をしない」ため、当然ながら売却による収入はありません。

①自身で住む

運用していた物件に自分で住む手法です。
売却する出口戦略と比べると売却にあたっての手間は省けますが、自身の居住用として物件を所有し続けることに変わりはありません。
住居を所有するための費用は発生し続けます。

また、所有物件の用途が変わるため、不動産投資ローンの規約違反になる可能性もあります。
不動産投資ローンから居住用の住宅ローンへの乗り換えも難しいケースがあるため、ローンに関しては注意が必要です。

②相続する

運用していた物件を親族等に相続する手法です。
自身の不動産投資は終わりますが、相続された側は引き続き運用を行います。

当然ながら相続する側の同意を得る必要があり、相続した後も問題なく運用を続けることができるか、ある程度の計画を立てた上で選択する出口戦略となります。
相続税の問題も発生するため専門家のサポートも要するでしょう。

この出口戦略も不動産投資をはじめるにあたり、相続することを見据えておく必要があります。

③更地にして土地活用

運用していた物件を取り壊して更地にした後、土地を何らかの形として活用する出口戦略です。
前項でご紹介した「更地にして売却する」と同様に、マンション一棟をすべて、もしくは一戸建ての物件を所有していた際に選択できるものですが、本項の内容としては「売却しない」出口戦略となります。
更地にした後、自身の土地として活用しますので、例えば居住用の自宅を建てる、新たな不動産投資として建替えて、賃貸物件や駐車場、資材置き場、倉庫などその時のニーズに合わせた活用ができるでしょう

いずれの選択肢であっても運用していた物件を取り壊す必要があるため、解体費用が発生します。
加えて、解体した後になんらかの物件を建てる場合は建設費も必要となります。
そのため、他の選択肢に比べて出口戦略に関する費用が多く発生する可能性があります。

ただし、自身の居住用の自宅を建てる、新たな不動産投資に活用する、といったように、不動産投資を終えた後の将来計画に及ぶ選択肢になります。

かなり綿密に計画を立てておく必要はあり、よほどの知識がなければひとりで実行するのは非常に難しい戦略ですが、将来のライフプランを見据えた上で不動産投資を行いたい方には向いているといえるでしょう。

D.不動産投資を始める際には出口戦略も考えておきましょう

不動産投資における出口戦略の重要性と、出口戦略例についてご紹介しました。

出口戦略は不動産投資の目的や物件選びと綿密に関わりますので、あらかじめ計画を立てておく必要があります。

特に将来的なライフプランも見据えた上で不動産投資を始めたい、という方はひとりで立案することにも限界があります。
信頼できる不動産専門会社とよく相談の上、決めるようにしましょう。