• 不動産投資

ボロ戸建て投資は魅力的!? 購入前に考えたいポイントを紹介

日本全国で空き家が増加傾向にあります。
総務省の統計によると、平成30年時点での空き家は約846万戸で10年前と比べると約100万戸ほど増加しています。
参考:平成 30 年住宅・土地統計調査(https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf

中には人が住まなくなって手入れもされず、ボロボロになってしまった一戸建てもあり、ボロ戸建てを購入して賃貸経営を行うことで収入を得る個人の不動産投資家もいます。
一見は誰も住みたくないような家に対して、なぜ投資する人が現れるのでしょうか。

ボロ戸建て投資の魅力について、そのリスクも合わせてご説明いたします。

 

A. ボロ戸建て投資の魅力とは

土地や建物は所有しているだけで固定資産税がかかります。
万が一屋根の瓦が落ちる、塀が崩れるなどして人がケガをした場合、管理責任を問われる可能性もあります。

しかしボロボロの状態で売却しようとしても、なかなか買い手がつきません。
かといって、解体して更地にするとさらにお金がかかり、売却しても赤字になることもあります。

このような理由から、ボロ戸建てが売りに出されるケースがあります。

A-1. ローンを組まずに購入できる場合もある

一般的に不動産投資では、物件の購入資金を投資用ローンで用意します。
しかしボロ戸建ての価格なら、ローンを組まず手持ちの資金で物件を購入できる可能性もあります。

ボロ戸建てを手放したい人の中には安くても良いから一刻も早く手放したいという売主もいるでしょう。

ローンの審査に手間や時間を取られたり、ローン返済中の金利変動を気にしたりせずに投資を始められるのは、大きなメリットです。

 

A-2. 短期間で投資額の回収ができる場合もある

物件を格安で購入し初期投資を低く抑えられると、高い利回りが期待できます。

例えば、200万円でボロ戸建てを購入して200万円かけてリフォームした場合、月6万円の家賃で貸し出せば表面利回りは18%となる計算です。

表面利回り(18%)=年間家賃収入(6万円×12カ月)÷初期投資(200万円+200万円)×100

表面利回りが18%あれば、6年で初期投資を回収できます。

しかし、あくまで上記の計算は「表面利回り」となります。年間経費を含めた実質利回りで計算すると18%を下回る可能性が高いため、注意が必要です。

 

B. ボロ戸建て投資のリスクとは

しばらく人が住んでいないボロ戸建ては、

  • 建物の劣化や損壊
  • 買い物や通院に不便
  • 近隣とのトラブルがあった

など、格安で売りに出される理由があります。

格安で購入できる分、完全にリスクを避けることはできません
ボロ戸建て投資を始める前に、頭に入れておきたい3つリスクについてご説明します。

 

B-1. 修復不能な欠陥が見つかる場合がある

ボロ戸建てを購入した場合、ボロボロで人が住めない状態のまま引き渡しを受けることがあります。

内装の傷や汚れや設備の不具合であれば、ある程度のリフォームで家を再生できます。
しかし梁・柱といった構造部分の腐食、基礎の傾きといった重大な欠陥が見つかると、建て替えに近い大規模なリフォームが必要です。

 

B-2. リフォームに時間かお金がかかる場合が多い

ボロ戸建は短期間で投資額を回収しやすい物件ですが、購入後にすぐに収入を得られるわけではありません。

人が住める状態まで再生するために、リフォームのための時間やお金が必要です。
リフォームの内容によっては、予想を超えるコストがかかることもあります。

ローンを利用してボロ戸建を購入した場合、リフォームが済み入居者が決まるまで、家賃収入がないままローンを返済しなければいけません。

 

B-3. 入居者トラブルが起きる可能性が上がる

ボロ戸建は土地や建物に問題があったり、近隣とのトラブルを抱えていたりすることもあります。
客付け後に問題が発覚すると、入居者からクレームを受けることも考えられます。

 

B-4.再建築不可物件である可能性がある

建て替えを行うことができない再建築不可物件であった場合、文字通り再建築を行うことができません。

リフォームを行うことは可能ですが、申請が必要な規模のリフォームも行うことができないため、あわせて注意が必要です。

 

C. ボロ戸建て投資は見極めが難しい

ボロ戸建て投資は、

  • 購入前に建物に修復不能な欠陥がないか
  • リフォームにどれだけのお金がかかるか
  • 物件自体に問題がないのか

などを見極められるかが、大きなポイントとなります。

物件自体の見極めに関しては、他の不動産投資に比べて困難な可能性もあるでしょう。

また、ボロ物件に限った話ではありませんが、入居者が決まった後も水漏れや雨漏りといった建物トラブルが予想されます。
いちいち修繕に費用がかさむと、思ったような収益が得られないこともあります。

 

D. 不動産投資の成功には、生きた情報が重要

ボロ戸建ては手元の資金で物件を購入できる場合もあり、比較的初心者でも始めやすい投資対象に思えますが、簡単には収益を得られない物件も多く含まれています。

またボロ戸建てなどの特殊な物件は、一般的な住宅市場にはあまり情報が流れません。

専門的な知識、経験がないままにボロ物件に手を出すのはリスキーともいえますので、有識者から情報を得るようにしましょう。