【2021年8月】不動産投資の融資における、各金融機関の金利傾向調査
不動産投資の融資を受ける上では、金利は非常に重要な要素です。
不動産投資を行うにあたり融資を受けるケースは多いですが、融資はいつか返済しなければなりません。返済額を決めるのが金利ですので、融資を受ける上では無視することはできないでしょう。
そこで今回は不動産投資の知識として、金融機関の5つの種類と特徴、融資を受ける際の金利相場の傾向について調査しました。
参考にしてみてください。
※本記事の内容は2021年8月時点の内容ですのでご注意ください。
目次
A.不動産投資の融資を受けられる6つの金融機関
不動産投資の融資を受けるための金融機関は、下記の6つに分類されます。
- メガバンク/都市銀行
- 地方銀行
- 信託銀行
- 信用金庫/信用組合
- 日本政策金融公庫
- ノンバンク系列
金融機関 |
金利傾向 |
---|---|
メガバンク/都市銀行 |
1%前後 |
地方銀行(調査した銀行に限る) |
1%前後~8%前後 |
信託銀行(調査した銀行に限る) |
2%前後~3%前後 |
信用金庫/信用組合(調査した銀行に限る) |
2%前後~5%前後 |
日本政策金融公庫 |
事業性があると認められた場合に融資を受けることが可能 |
ノンバンク系列 |
3.5~4.5%だが、手数料などを合算すると15%以内 |
各金融機関でそれぞれ特徴がありますので、詳しく解説していきます。
なお、今回の金利傾向の調査に関しては基本的に「Webサイト上に記載のある内容」に限ったものとなりますのでご了承ください。
B.メガバンク・都市銀行の不動産投資の融資における金利傾向
メガバンクとは、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3行です。
都市銀行にはメガバンクの3行に加えて、りそな銀行、埼玉りそな銀行があります。
メガバンク・都市銀行の金利相場は、一般的に1%前後といわれています。
各銀行とも「賃貸住宅向けのローン」としての金利はWebサイト上に明示されておりませんので、詳細はお問い合わせする必要があります。
都市銀行は地方銀行に比べて金利が低い傾向にありますが、審査が非常に厳しいです。そのため、融資が受けにくくあります。
借りようとしている人の過去3年間の年収と勤務先や、自己資金、担保となる不動産物件の有無、金融資産や借り入れの金額なども審査において重要視されます。
下記に参考としてWebサイト上にページが設けられている各銀行の不動産投資ローンの概要をご紹介いたします。
ご興味がある方はご覧ください。
参考:三井住友銀行 直担アパートローン
https://www.smbc.co.jp/kojin/apartment/
参考:みずほ銀行 アパートローン
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/loan/apart_yushi/index.html
参考:りそな銀行 りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証)
https://www.resonabank.co.jp/hojin/service/bs/apaman/ordermade/index.html
C.地方銀行の不動産投資の融資における金利例
地方銀行の金利相場は銀行によってかなり幅が広い傾向にあります。
地方銀行においてもメガバンク・都市銀行と同様に、銀行によって不動産投資に関連する融資の金利を掲載していない場合があります。
また、地方銀行は店舗が有る地域での取り扱いが基本のため、お住まいの地域での確認が必要でしょう。
ここではWebサイト上で掲載されている地方銀行をいくつかご紹介していきます。
C-1.関東圏の地方銀行の不動産投資における金利例
関東圏においては東京スター銀行と、きらぼし銀行をご紹介していきます。
東京スター銀行
2021年8月時点の東京スター銀行の「スター不動産担保ローン」の金利は下記のとおり紹介されています。
変動金利:年率0.85%~8.35%
固定金利:年率1.20%~8.75%
参考:東京スター銀行
https://www.tokyostarbank.co.jp/products/loan/mortgage_collateral/
きらぼし銀行
2021年8月時点、きらぼし銀行の「不動産担保ローン」は変動金利のみの取扱として下記のとおり紹介されています。
変動金利:年率3.9%、5.2%、6.8%、7.8%、8.8%
参考:きらぼし銀行
https://www.kiraboshibank.co.jp/kariru/hudousantanpo/outline.html
C-2.関西圏の地方銀行の不動産投資における金利例
関西圏においては関西みらい銀行をご紹介いたします。
関西みらい銀行
2021年8月時点で関西みらい銀行の「フリーローン(不動産担保型)の金利は下記のとおり掲載されています。
変動金利:年率2.0%、2.9%、2.95%、3.9%
固定金利:年率4.9%、5.8%、6.8%、7.8%、8.8%、9.8%
参考:関西みらい銀行
https://www.kansaimiraibank.co.jp/kojin/freeloan/hudousan/index.html
C-3.九州圏の地方銀行の不動産投資における金利例
九州圏では西日本シティ銀行をご紹介いたします。
西日本シティ銀行
2021年8月時点で西日本シティ銀行の「NCB不動産オーナーズローン」の金利は以下となっています。
※割引適用後の金利です。いくつかの条件を満たすと適用されますので、ご注意ください。
変動金利:1.80%
固定金利:年率1.80%、2.00%、2.10%、2.20%
参考:西日本シティ銀行
https://714919.jp/loan/fudosan_owners/
D.信託銀行の不動産投資の融資における金利例
信託銀行の金利にも幅はありました。
しかし、地方銀行に比べるとややふり幅は少なくあります。
地方銀行同様にWebサイトに記載がある信託銀行の不動産投資の融資における金利例をご紹介いたします。
D-1.オリックス銀行
オリックス銀行は全国エリア対応可能な「不動産投資ローン」という名称の融資サービスがあります。
2021年8月時点で記載されている金利情報は、以下になります。
3年固定金利:2.3%~3.3%
5年固定金利:2.5%~3.5%
変動金利:2.675%~3.675%
参考:オリックス銀行
https://www.orixbank.co.jp/personal/property/
E.信用金庫・信用組合の不動産投資の融資における金利例
信用金庫の金利相場もやはり幅がありますが、こちらもややふり幅は少ない傾向にありました。
Webサイトに記載がある信用金庫の不動産投資の融資における金利例をご紹介いたします。
なお、信用金庫は基本的に店舗を構えている営業エリアのみが対応可能となってきますので、お住まいのエリアに応じて調べることが必要です。
E-1.芝信用金庫
東京に店舗を構える芝信用金庫は「しばしん不動産担保専用ローン(事業者ビジネスローン)」という名称の融資サービスがあります。
2021年8月時点で記載されている金利情報は以下となります。
固定金利:年率3.0%~5.0%
参考:芝信用金庫
https://www.shibashin.jp/kariru/business_loan/
E-2.あすか信用組合
東日本に展開するあすか信用組合は「不動産投資ローン」があります。
2021年8月時点で記載されている金利の情報は下記のとおりとなります。
変動金利:年率1.8%~2.8%
参考:あすか信用組合
https://www.asuka-c.jp/shouhin/syueki_loan.html
F.日本政策金融公庫の融資における金利
日本政策金融公庫は財務省所轄の金融機関です。全国エリア対応可能で、公益性が高く高齢者や女性であっても融資が受けやすく、加えて優遇措置も受けやすくなっているのが特徴です。
ただし、日本政策金融公庫から融資を受ける場合は事業性があると認められた場合に限ります。
また、他の金融機関と違うのが、融資を受ける本人が融資の交渉を行う必要があるところです。
日本政策金融公庫以外の金融機関であれば、本人に代わって不動産業者が融資の交渉を行うこともできますが、日本政策金融公庫は本人主体で動かなければなりません。
不動産投資の初心者で副業として始めるような方にはあまり向いていない選択肢といえるでしょう。
参考:日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html
G.ノンバンク系列
消費者金融や信販会社などに該当するのがノンバンク系列です。
他の金融機関では貸付業務以外も行われますが、ノンバンク系列では貸付のみが行われます。ノンバンク系列の金利相場は、3.5~4.5%前後です。
ただし、上記金利に事務手数料や調査料などを含めて年率で換算した金利は15%以内と紹介されているケースがいくつか見られます。
ノンバンク系列はメリットもありますが、合算額としての金利は高い傾向がありますので、注意が必要です。
H.自分の現状と不動産投資の条件を考えて融資を検討しよう
不動産投資の融資における金利傾向についてご紹介いたしました。
各金融機関の金利情報はWebサイト上で明記されていないケースも多々あるため、詳細情報は実際に問い合わせる必要があるでしょう。
不動産投資の融資先の金融機関を選定する上では、金利に関して重要な要素とはなりますが、あくまでもひとつの要素となります。
金利だけではなく、融資期間や必要自己資金額といった総合的に判断するのが良いでしょう。
金融機関の情報に関しては、不動産会社が提携先の情報を教えてくれたり、紹介してくれたりする場合もあります。
これから不動産投資をはじめようとする方は、まずは不動産会社に相談してみることもひとつの手段です。