【不動産投資、定期預金、株式投資など】資産形成の方法とメリットデメリットをご紹介
公的年金のみを資金として、老後の生活を送ることが難しい時代になりました。
中には公的年金に加えた資産形成の方法を模索している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一口に資産形成といってもその方法はさまざまです。それぞれの特徴を知って、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
そこで本記事では、不動産投資、定期預金、株式投資などの代表的な資産形成の方法と考えられるメリット、デメリットを紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
A.本記事でご紹介する資産形成の方法
本記事では代表的な資産形成の方法として、下記の内容をご紹介いたします。
資産形成の方法 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|
定期預金 |
元本保証や預金保険制度があるため、預金額以下になるリスクが限りなく低い。 |
低金利の傾向が続いているため、収益性は低い。 |
株式投資 |
株価売却時に購入時より値上がりしていれば、値上がり益を狙える。 |
価格変動リスクがあり、政治・経済の動きに合わせて激しく変動する可能性がある。 |
NISA/つみたてNISA |
NISA/つみたてNISAを利用して得た利益は非課税となる。 |
NISA/つみたてNISA枠の取引は損益通算ができないため、NISA/つみたてNISAで損失した場合、他の投資の収益と相殺できず、繰越控除も使用することはできない。 |
投資信託 |
専門家が投資の運用を行ってくれるため、運用の手間がかからない。 |
コストがかかり、元本保証がない。 |
外資預金 |
円預金よりも高い金利が期待できる。 |
円に換金するタイミングで為替によって損失を出す可能性がある。 |
iDeco |
掛金が全額所得控除となり、運用益も非課税となるため、支払う税金が軽減される。 |
積み立ての掛け金や運用で得た利益は原則として60歳以降にしか受け取れないため、換金性は低い。 |
運用型保険 |
生命保険に加入できるため、家族への備えになる。 |
元本割れのリスクがある。 |
不動産投資 |
入居者からの安定した収入や節税対策、レバレッジを効かせての運用が可能。 |
空室リスクや金利変動リスク、不動産価値下落リスクなどがある。 |
それぞれの項目について解説していきます。
A-1.定期預金の特徴とメリット、デメリットとは
定期預金とは、あらかじめ預け入れる期間を決めた上で行う預金です。
基本的に満期日までに引き出しを行うことはできません。
なお、金利タイプは固定金利と変動金利があります。
定期預金の一番のメリットとしては、預金額以下になるリスクが限りなく低いことです。
定期預金には元本保証があり、なおかつ金融機関が払い戻しを行えなくなった際に元本1,000万円までは破綻日までの利息等が保護される預金保険制度があります。
ただし、定期預金は低金利の傾向が続いています。
2021年10月現在、日本銀行が公表している「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について」内の「定期預金の預け入れ期間別平均年利率」では下記のとおりです。
- 預け入れ期間:1か月~5年
- 預け入れ金額:300万円未満、300万円以上1千万円未満、1千万円以上共通
- 平均年利率:0.003%
- 預け入れ期間:7年、10年
- 預け入れ金額:300万円未満、300万円以上1千万円未満、1千万円以上共通
- 平均年利率:0.002%
参考:2021年10月27日 日本銀行金融機構局 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について
https://www.boj.or.jp/statistics/dl/depo/tento/te211027.pdf
以上のことから、定期預金は元割れのリスクが低い一方で収益性はあまり期待できないといえるでしょう。
A-2.株式投資の特徴とメリット、デメリットとは?
株式投資とは、企業が発行している株を購入することで利益を得る方法です。
購入時に比べて株価が値上がりしたタイミングで株を売却することができれば、値上がり益を得ることができます。
また、投資先の企業によっては配当金や株主優待などを受けることができるため、値上がり益に加えたメリットも期待できるでしょう。
値上がりの幅が大きければ大きいほど得られる利益も大きくなりますが、株価は政治や経済の動きに合わせて激しく変動する可能性もあります。
購入時に比べて株価が値下がりしたタイミングで売却すれば元割れが発生するため、注意が必要です。
あわせて、例えば投資先の企業が上場廃止になった場合、株式の出来高が大きく下がり値が付かずに売却できなくなる、といった流動性リスクもあるため、留意しておきましょう。
このように株式投資における株価の価格変動は、大きな利益にも、大きな損失にも繋がる可能性を内包しています。
A-3.NISA・つみたてNISAの特徴とメリットデメリットとは?
NISAは年間の上限額の範囲内で、購入した株式・投資信託などの金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。
日本国内に住んでいて20歳以上の人が利用できるものとしては、NISAとつみたてNISAがありますが、併用はできないためどちらかを選ぶ必要があります。
種類 |
NISA |
つみたてNISA(※2) |
---|---|---|
非課税投資枠の上限 |
新規投資額で毎年120万円 |
新規投資額で毎年40万円 |
非課税期間 |
最長5年間(※1) |
最長20年間 |
投資可能期間 |
2014年~2023年 |
2018年~2037年 |
※1:ロールオーバーを利用すれば延長は可能。ただし、現行のNISAにおいては2023年までの制度とされているため、現時点で新規利用する場合はロールオーバーの利用は不可)
※2:つみたてNISAでは投資対象商品に制限があります。
NISAについては他にも様々な注意点があります。詳しくは金融庁のHPをご覧ください。
金融庁 NISAの概要
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html
以上のように、NISAとつみたてNISAには違いがありますので、ここではいずれにも共通して考えられるメリット、デメリットについてご紹介いたします。
NISA/つみたてNISAにおける一番のメリットは、利用期間で投資により得た利益が非課税となる点でしょう。
通常の投資において得た利益は税金が発生しますので、仮に同額の利益を得た場合はNISA/つみたてNISAの方が手元に残る金額は多くなります。
一方で、NISA/つみたてNISAを利用した投資は損益通算ができません。
わかりやすい例を挙げると、NISAもしくはつみたてNISAで50万円の損失が、他の投資において50万円の利益が発生した場合、合算額ではプラスマイナス0円であったとしても利益分の50万円に対して課税されます。
また、繰越控除も使用できませんので、抑えておきましょう。
A-4.投資信託の特徴とメリットデメリットとは?
投資信託とは投資家から集めた資金により、株式や債券などを専門家が購入、運用してくれる商品を指します。
運用成果は投資額に応じて、各投資家に分配されます。
投資信託は下記のようにさまざまな分類があります。
投資信託の形態 |
契約型 |
投資運用会社と投資信託銀行が契約を締結して組織される形態 |
---|---|---|
会社型 |
投資を目的とする法人を設立する形態(投資法人) |
|
購入可能なタイミング |
単位型 |
投資信託が立ち上がる期間にのみ購入可能 |
追加型 |
原則的として投資信託が運用されている期間中であればいつでも購入可能 |
|
払い戻しの可否 |
オープンエンド型 |
原則として運用期間中は払い戻しに応じる |
クローズエンド型 |
運用期間中は払い戻しに応じない |
|
株式投資の可否 |
株式投資信託 |
約款に株式投資が可能の旨が記載されている |
公社債投資信託 |
約款に株式投資は行わない旨が記載されている |
投資信託においても、NISA同様に共通して考えられるメリット、デメリットをご紹介いたします。
投資信託におけるメリットとしては、投資の手間がかからないことが挙げられます。
前述の通り、投資信託は専門家に運用を任せるものです。
ある程度の知識は必要にせよ、運用するための勉強も自らが行う選択肢に比べると少なくて済むでしょう。
一方で、投資信託は前述のとおり専門家に運用を任せるため、投資金額に加えて運用費用などのコストが加算されるデメリットが挙げられます。
また、元本保証がないため、購入時に比べて売却時の金額が下回る恐れもあります。
あわせて、運用会社に投資を任せることで起こる可能性のあるリスクも考えられます。
運用会社がキャッシュフローの悪化などによって資金の調達が困難となり、倒産する恐れがあり、この場合、投資家に資金が戻される可能性もありますが、全額とは限りません。
投資法人が上場廃止になった場合も、整理銘柄になり価格が大きく下落してしまう可能性があります。
実際には投資法人が合併することで上場廃止となるケースがあり、価格がゼロになることは少ないですが、合併後の価格が不透明であることには変わりありません。
A-5.外貨預金の特徴とメリットデメリットとは?
外貨預金とは、米ドル、ユーロ、豪ドルなどの外国の通貨で預金をすることです。
金利による収益のほかに、預入時に比べて円安になったタイミングで日本の通貨に払い戻すことで、為替差益を得ることができます。
ただし、払い戻しの際に為替手数料が発生するため注意が必要です。
外貨預金のメリットとしては、円預金よりも高い金利が期待できる点でしょう。同額の預金でも多くの利息を得られる可能性があります。
一例として、三井住友銀行のWEBサイトに記載のある金利を比較してみます。
円預金金利
定期預金金利:0.002%
※預入期間、預入金額共通
残高別金利型普通預金金利:0.001%
※残高金額共通
貯蓄預金金利・普通預金金利:0.001%
※預入金額、預金タイプ共通
※参考:三井住友銀行 円預金金利
https://www.smbc.co.jp/kojin/kinri/yokin.html
外資預金
パーソナル外貨定期預金:0.010%
※預入期間、預入金額、各通貨共通
外貨普通預金金利(標準金利):0.010%
※各通貨共通
※参考:三井住友銀行 外資預金金利
https://www.smbc.co.jp/kojin/kinri/gaika.html
以上のように、定期預金、普通預金いずれも円預金に比べて外資預金の方が金利は高くあります。
また、預金時に比べて円高になったタイミングで換金することで差額の利益を得ることができる、為替差益も期待できる点もメリットとして考えられます。
一方で、外資預金には元本保証がないため、円に換金するタイミングによっては為替により損失を生むリスクもあります。
また、預金保険制度の対象外となり、万が一銀行が破綻した場合は保証されないため、注意が必要です。
あわせて、外資預金は為替手数料が別途必要となる点もデメリットとして挙げられるでしょう。
A-6.iDeCoの特徴とメリットデメリットとは?
iDeCoは私的年金の制度を指し、確定拠出年金法に基づいて実施されています。
自身で掛金を積み立てつつ、掛金で任意の金融商品を運用していきます。積み立てた掛け金や運用で得た利益は原則として60歳以降に受け取ることができます。
ただし、iDeCoへの加入条件や運用できる金融商品には一定の基準がありますので、注意が必要です。
iDeCoでは掛金の全額が所得控除の対象も、金融商品の運用で得た利益に関しても非課税となります。
そのため、iDeCoを使用した金融商品の運用に関しては支払う税金が軽減される点はメリットとして挙げられるでしょう。
また、iDecoの受け取り時も控除を受けることができます。
一方で、前述のとおり積み立て掛け金と運用益は原則的に60歳以降に受け取ることになりますので、換金性は低いといえる点がデメリットとして考えられます。
A-7.運用型保険の特徴とメリットデメリットとは?
運用型保険とは、多くは変額保険と呼ばれます。
保険会社は、支払われた保険料から保険金に関する諸経費を差し引いた資金で、株式や債券などの金融商品を運用します。
この運用実績に応じて、最終的な保険金や解約返戻金が変動するタイプの保険です。
なお、基本保険金額は最低保証されるため、運用実績で変動することはありません。
運用型保険(=変額保険)は保険期間によって下記の2種類があります。
保険期間 |
概要 |
---|---|
有期型 |
|
終身型 |
|
運用型保険は、名称の通り保険(生命保険)になります。
そのため、運用型保険を選択する大きなメリットのひとつとしては生命保険の加入により、家族への備えになる点が挙げられるでしょう。
あわせて生命保険料控除も適用できるため、税制優遇が受けられます。
一方で運用型保険は元本保証が基本的にはありませんので、元割れのリスクがあります。
また、長期間の運用でなければ大きな利益を得ることができないため、長期加入を要する場合が多くあります。
あわせて、投資運用額に保険金に関する諸経費が加算されますので、掛け捨て型の保険に比べて高額になる点もデメリットとして考えられるでしょう。
A-8.不動産投資の特徴とメリットデメリットとは?
不動産投資は物件を購入して居住者に貸すことで家賃収入を得たり、物件の売却益を得たりする手法です。
物件はマンションの一室やマンション一棟すべて、戸建てなどがあり、各物件でメリットデメリットは異なります。
詳しくは下記記事で紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
不動産投資初心者はどの物件を選んだほうがいい? 種類別に比較しました
https://life-design-promotion-office.com/column/post/post_4418/
不動産投資で共通して考えられるメリットとしては、居住者が確保されている限りにおいては毎月決まった家賃収入を得られる安定性でしょう。
また、不動産投資を副業として行う場合などでは、節税効果になるケースもあります。
減価償却などの経費を計上することで、不動産所得がマイナスになることがあり、本業の収入からマイナス分の所得を控除することで、節税になるという仕組みです。
※不動産投資と節税に関しては下記の記事でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
節税目的の不動産投資は危険?節税になる仕組みからそのリスクを解説
https://life-design-promotion-office.com/column/post/post_4642/
さらに、金融機関からの融資を受けることで、自己資金に対するレバレッジを効かせた運用が可能となるケースもあります。
※不動産投資と融資については本サイトでいくつか紹介していますので、興味がある方は下記よりご覧ください。
https://life-design-promotion-office.com/column/financing/
一方で前述にメリットとして挙げた家賃収入は、デメリットの側面も抱えています。
運用している物件の居住者がいなくなってしまうと当然ながら家賃収入を得られなくなってしまう、空室リスクも起こりえますので注意が必要です。
銀行からの融資を受ける場合の「金利変動リスク」の可能性もデメリットしては挙げられるでしょう。
金利の上昇によって融資の利息が増えてローンの返済が困難となるケースです。
また、政治、経済、天災、周辺地域の開発状況などの外的な要因によって価値が下落することで、空室が発生したり入居者が集まりにくくなったりするリスクも不動産投資においては考えられます。
なお、本サイトでは上記をはじめとした不動産投資のリスクとリスクヘッジ方法についても解説しておりますので、あわせてご覧ください。
不動産投資で考えられる5つのリスクと、リスクヘッジ方法をご紹介
https://life-design-promotion-office.com/column/post/post_4385/
B.自分に合った資産形成をしよう
資産形成の方法について、それぞれの概要をご紹介いたしました。
公的年金だけに頼ることができない時代、不安のない老後生活を送るためにはいかに資産を形成していくかが重要です。
また、実際に資産形成の方法を選択するにあたっては自身の調査、知識だけでは判別がつかないこともあります。
そのような場合には、まずは各商品の専門会社に話を聞いてみるのもひとつの方法です。
無料セミナーを開催している場合もありますので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。