不動産投資は老後の備えになる?不動産投資を老後資金にするメリット、デメリット
これまでの日本では、年金が老後の生活の支えになると期待されてきました。
しかし、時代とともに年金だけで老後の生活をまかなう不安は大きくなりつつあります。
老後の資金をまかなう上ではさまざまな方法が考えられますが、本記事ではその方法を「不動産投資」の観点から解説いたします。
目次
A.なぜ年金だけでは不十分?老後には他の備えが期待される理由
そもそも年金制度に不安を抱く層が増えたのは、少子高齢化が進んできたからです。
まずは、少子高齢化と年金受給の関係を説明していきます。
A-1.少子高齢化という問題
ある世論調査では60%近くの国民が年金制度に不安を感じているといわれています。
将来的に需給予定の、いわゆる「現役世代」に限れば72%にもなりました。
もちろん、こうした世論調査では根拠のない不安を口にしている回答者も少なくありません。
ただし、現行の年金制度について無視できないのは「少子高齢化問題」への対策が不十分な点です。
これまで、生産年齢の3人で1人の高齢者を扶養するのが年金制度の仕組みでした。
しかし、人口の高齢化が進んだ結果、扶養者と被扶養者の人口割合が逆転しつつあります。
すなわち、現行の制度のままでは、保険料率を上げるか額を下げるかしなければ、高齢者が年金を受給できなくなる可能性が出てきたのです。
A-2.約2.6人に1人が高齢者になる時代
内閣府発表の「令和2年版高齢社会白書」によると、2019年時点での65歳以上人口の割合は28.4%でした。
そして、2065年はおよそ2.6人に1人が高齢者になると予想しています。
このままのペースで高齢化が進めば、「生産者3人で1人の高齢者を扶養する」という年金制度の根幹が覆されてしまうでしょう。
こうした背景を受け、多くの人々が年金以外の備えを老後に向けて確保したいという考えになっていったのです。
参考:内閣府ホームページ 令和2年版高齢社会白書
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/zenbun/02pdf_index.html
B.老後資金を不動産投資でまかなうメリットとデメリット
年金制度に加えての収入源にひとつとして、不動産投資が挙げられます。
ここからは金融資産の運用と比べて、不動産投資で老後資金をまかなう場合のメリット・デメリットについて述べていきます。
メリット |
デメリット |
---|---|
定期的な収入が見込める |
換金に時間を要する場合もある |
生命保険として活用できる |
空室による想定収入が減少する |
管理会社を入れることで、手間を減らせる |
修繕費等の維持費用が必要 |
上記について詳しく解説いたします。
B-1. 老後資金を不動産投資でまかなうメリット
まずは老後資金を不動産投資でまかなうメリットについてです。
定期的な収入が見込める
収入が比較的安定しているのは不動産投資のメリットです。
たとえば、マンションに投資する場合、入居者が集まれば家賃収入が見込めます。
その場合は月ごとに決まった額が入ってくるので、株式やFXなどと比べても安定した収入が見込まれやすいと言えるでしょう。
生命保険として活用できる
実際に不動産投資をする場合、団体信用生命保険への加入ができます。
団体信用生命保険では、投資ローン返済中に投資家が死亡した場合、基本的には残債の支払いが免除されるルールです。
そして、不動産自体は手元に残り続けます。
すなわち、残された不動産を売却すれば売却益が生命保険の代わりとして活用可能です。
また、従来通り貸し続けて遺族が家賃収入を受け取れるようにすることもできます。
管理会社を入れることで、手間を減らせる
老後の収入源という面で、無視できないのが健康状態です。
年齢を重ねると身体が思うように動かず、自身の負担が大きい資産運用を収入源にしてしまうと、将来的に続けられなくなる可能性も出てきます。
不動産投資の場合は、現場の仕事は管理人に、借手や買手との交渉は代行業者に任せることができます。
健康状態に関係なく、収入を得られる手段になるでしょう。
B-2.不動産投資のデメリット
一方で当然ながらいくつかのデメリットもついてきます。
不動産投資はメリットだけではない、という観点で、不動産投資で全般的に考えられるデメリットをいくつかご紹介します。
空室による想定収入が減少する
マンションやアパートに投資する場合は「空き室リスク」も要注意です。
賃貸物件に空き室があると、当然ながらそのぶんの家賃収入は入ってきません。
空室は必ず発生しますが、できるだけ期間を短くする事等、リスクを極力抑える為にリスク面についても説明してくれる、信頼できる業者を選びましょう。
修繕費等の維持費が必要
株式やFXと比べれば、不動産投資は安定的・長期的に収入を得るための手段だと言えます。
ただし、現物を所有する為、修繕費等の維持費が必要です。
経年劣化による修繕費を加味せずに収入をすべて使う計画をしてしまうと、想定外の出費が発生し、老後計画が狂う可能性があります。
その代わり、収入は比較的に安定しているので、計画をしっかりとたてれば老後の生活の支えにはなりやすいでしょう。
C.メリットとデメリットを押さえた選択を
老後資金をまかなう選択肢のひとつとして、不動産投資を紹介しました。
不動産投資に限らず、老後資金をまかなう方法にはそれぞれメリット、デメリットがあります。
しっかりと調べたうえで、自分に合った選択を行うようにしましょう。