不動産投資の融資先にノンバンクを利用するメリット・デメリットとは?
購入金額の大きな不動産投資を行う際、ノンバンク系の不動産担保ローンを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、ノンバンク系の不動産担保ローンの基礎知識をふまえ、メリット・デメリットを詳しく解説していきます。
目次
A.不動産投資における「ノンバンク」の基礎知識
不動産投資では物件の購入金額が大きく、運用に関わる費用もさらに加算されるため、自己資金だけでなくローンを利用するケースが一般的です。
不動産投資向けのローンはさまざまな機関が取り扱っており、銀行系の「アパートローン」や、今回ご紹介するノンバンク系の「不動産担保ローン」を利用して融資を受けることができます。
A-1.ノンバンク系とは?
ノンバンク系とは、その名の通り銀行以外の金融機関のことです。
銀行のように一般の顧客から預金の受け入れを行わず、自社の資金を元にした融資などの与信業務を行います。
具体的には、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社など、銀行以外でお金に関連するサービスを取り扱う会社をイメージするとわかりやすいでしょう。
また、銀行系が免許制であるのに対してノンバンク系は登録制であり、銀行よりも規制が緩い分、幅広い融資が可能です。
A-2.不動産投資におけるノンバンクとは?
不動産投資においてノンバンクという言葉が出たときは、銀行以外の金融機関が提供する不動産担保ローンのことを指していることが多いです。
不動産担保ローンは、自身が所有する不動産を担保に入れて融資を受けられるローンのことで、一般的に返済期間が長く、無担保ローンと比較すると最大融資額が大きいなどの特徴があります。
ただし、返済ができなくなれば担保に入れた不動産を売却するなどして、ローンの残りを返済しなければなりません。
B.ノンバンク系不動産担保ローンのメリットとデメリット
それでは、ノンバンク系の不動産担保ローンにはどのようなメリットとデメリットが考えられるのか、いくつかご紹介していきます。
なお、今回ご紹介するメリットとデメリットは銀行系「アパートローン」と比較した場合の内容となりますのでご留意ください。
メリット |
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デメリット |
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一見するとデメリットの方が少ないように思えますが、「金利が比較的高い」ことは不動産投資を行う上で非常に重要な内容となりますので、注意が必要です。
B-1ノンバンク系不動産担保ローンのメリット
審査が比較的柔軟
ローンはあくまでも借りたお金であるため、計画的に返済しなければなりません。
このためローンは必ず事前に審査が行われ、年収などを参考に十分な返済能力があるかどうかをチェックされます。
審査の内容や融資の基準は各金融機関で異なりますが、一般的に銀行系は審査が厳しいとされ、申込んでも融資を受けられないケースも珍しくありません。
これは銀行が顧客の預金を運用しているからであり、貸し倒れリスクを徹底的に避ける必要があるためと考えられます。
この点、自社の資金を運用しているノンバンク系は銀行系ほど厳しく融資先を審査する必要がないため、銀行系と比べて審査に通りやすいといわれています。
銀行で審査に落ちた人でもノンバンク系なら融資を受けられる可能性もあるでしょう。
融資を受けられる物件の幅が広い
前項でご紹介した「比較的柔軟に審査を行ってもらえる」に繋がるメリットです。
不動産投資で利用するローンの場合、担保となる不動産にどれくらいの価値があるのかを見極めて融資額を決定します。
このため、不動産に十分な価値がないと判断されると、希望する融資額を受けられなかったり、ローンそのものを利用できなかったりすることがあるのです。
特に銀行系では融資を受けられる不動産の条件が厳しく設定されており、借地権や再建築不可物件など特殊な不動産だとローンを利用できないケースも珍しくありません。
例えノンバンク系列であっても再建築不可物件などの審査は通りにくくはありますが、物件のエリアや物件の状態などによっては、銀行に比べると比較的柔軟に検討してもらえる可能性があるでしょう。
融資までにかかる期間が短い
ノンバンク系の不動産担保ローンは、銀行系のローンよりも申込から融資実行までの期間が短いという特徴があります。
個々のケースでも異なりますが、銀行系は2週間~1カ月ほどかかる場合があります。
多くの項目を審査したり、保証会社の保証をつけるため事務処理の工程が増えたりすることで、時間がかかると考えられます。
これに対し、銀行系ほど審査を厳しく行わないノンバンク系は融資実行までに1~2週間ほどで済むケースが多く、急いで融資を受けたい場合などに役立ちます。
B-2.ノンバンク系不動産担保ローンのデメリット
ノンバンク系の不動産担保ローンで注意したいデメリットといえば、ずばり「金利が高い」という点です。
ノンバンク系列の金利相場は銀行と比べてさほど変わりませんが、大きな特徴として金利に事務手数料や調査費などが加算されます。
上記を合算した金利としてはかなり高くなるケースがあるため、注意が必要です。
各銀行の金利傾向調査は下記の記事でご紹介していますので、興味がある方はご一読ください。
【2021年8月】不動産投資の融資における、各金融機関の金利傾向調査
https://life-design-promotion-office.com/column/post/post_4664/
金利が高ければ高いほど、返済額は大きくなります。
不動産投資を行う上では、当然ながら家賃収入がありますが、必ずと言っていいほど空室は発生します。
空室が発生すると家賃収入を得ることができなくなります。予期しない修繕費なども発生することもあるでしょう。
返済額の負担があまりにも大きくなると、それだけリスクを内包した運用となってしまいますので、十分に注意するようにしましょう。
C.ノンバンク系のメリット・デメリットを正しく理解して利用しよう!
ノンバンク系の不動産担保ローンにはさまざまなメリットがありますが、その一方で金利が高いという注意すべきデメリットもあります。
融資額が大きい不動産投資のローンでは金利の違いが大きな負担になることもあるため、十分な注意が必要です。
メリットとデメリットを正しく理解し、綿密な不動産投資の計画を立ててどのローンを利用するか決めるようにしましょう。